鯛ラバって正直言っておもしろい。
もう鯛ラバが世に出てから25年くらい経ちます。
当時は固定式が多く、今みたいに誘導式はほとんどありませんでした。
しかし、魚を取る本職の漁師でさえ、安いリールに竿で鯛ラバを巻いていた時代でした。
巻くだけで簡単に釣れ、海のルアーと言えばジギングが最盛期を迎えてるときだったので、ジギングの合間にちょっとやってみるって人も多かったです。
そんな鯛ラバも昨今は少し下火になってきたなって印象です。
当時は軟竿といっても少しハリがある竿が主流で、今のようにエサ釣りの先調子みたいな竿ではありませんでした。
PE1号でリーダーが15LB~20LBでシンプルな仕掛けのため、手返しも良く、釣れればデカいのが多かったです。
また、根魚のハタやホウボウ、ヒラメやマゴチなどの多種多様な魚も釣れるため、ドキドキ感とワクワク感が強いルアー釣りです。
20年間鯛ラバやって思う事。
間違いなく「着底後の巻き」が鯛ラバの一番重要な部分です。これは間違いなく釣れる人と釣れない人の差です。
鯛ラバのカラーや種類(メーカー違いとか)、重さなどは二の次です。
着底後すぐにまき始めることが重要で、これは他の遊漁船の船長とも同意見でした。
着底後の巻きが重要なので、断然ベイトタックルが有効です。スピニングタックルだとベールを返す必要があるため、この一瞬の遅れが鯛ラバでは命取りになります。
私は海の潮の状況で着底後にリールを3回転から4回転はすぐに巻いて、糸ふけ分(潮で流された分のライン)をすぐに回収します。
着底後に鯛ラバをすぐに浮上させるのためです。
これだけでも、釣れる確率はグッと上がります。
巻きのスピードは人それぞれ。早い巻きでも釣れますし、極端に遅くても釣れます。
でも、活性が低い時はゆっくり巻くより、早く巻いてリアクションで食わしたほうが良い結果になることもあります。
「寒いし釣れないからゆっくり巻こう」は間違いではないですが、臨機応変に巻き速度を変えて、いろいろ試してみた方が結果に結びつくことが多いです。
底から何mくらい巻いたらいいの?
着底後の底~5mくらいまでが一番アタリが多いので、着底後から5回転から10回転くらい(ローギアでもハイギアでも)は集中して巻いてください。
水深にもよりますが、鯛ラバのメイン水深は40m~60mくらいなので、25回~30回(だいたい20m~30mくらい)くらいが目安でいいと思います。
10回くらいしか巻かない人もいますが、これはあまりお勧めしません。必ず20回は巻くように心がけてください。
10回以内の巻きが良く無い理由は3つ。1つは根がかりする可能性があるのと、2つ目は10回だと鯛のタナに届いていない場合があること、3つ目は鯛の視界にずっと鯛ラバが上下してしまうことです(警戒心につながります)。
あとは、ラインの入り方も注意が必要です。斜めにラインが入っている状態だと、鯛ラバは斜めに上がってきますので、そのへんも考慮して巻く回数を考える必要があります。
基本的に鯛ラバやジギングはドテラ流しと言って、帆を立てずに風と潮に任せて船を流します。なので、船は必ず動いている状態となりますので、ラインが斜めに入ります。エサ釣りみたいに同じところに止まって釣る釣りではありません。
「釣れる鯛ラバのカラーを教えて!!」は難問なんです。
鯛ラバで出船している船の船長が一番聞かれるワードだと思います。私も他の遊漁船を利用していた時は良く聞いていました。
「鯛ラバの色は関係ない」と言う人もいますが、長年自分で鯛ラバしてお客さんも案内していると、経験上、色は少なからずとも影響があるように思えます。
ですが、色に関しては正直「わかりません」が本音です。(勉強不足かもしれませんし、他の船長は適格に答えるかもしれません。)
その日の潮や風、底潮の流れ方、水温、ベイトの量、濁り具合など、日々変化するため、「今日はこのカラーだ!!」とはなかなか言いにくいです。
でも、お客様が釣れた時の鯛ラバのカラーは見ますし、私も竿を出すことがあるので、実際に釣果を見て判断します。その時の状況で「今日はこのカラーがアタリ・・・かも?」とはよく言います。
茶色がいい時もあるし、ピンクしか食わないこともあります。でも、これは、海に出てみないと正直わからないです。
でも、タックルボックスにこのカラーは入れておいた方がいいと思うのだけ列挙します。
- オレンジ:定番カラーです。これを1日巻けば、必ずどこかでアタリがあります。
- レッド:10年くらい前に私がドはまりしたカラーです。デカい奴がかかる傾向が強いと思っています。(私だけ?)
- ピンク:春先の産卵期で良く使う色です。他の時期はほとんど使いません。でも、このカラーにしか当たらないことがあります。
- 茶:長年鯛ラバやっている先輩の定番カラーです。茶も濃い茶色で私も愛用しています。
- 緑:緑はベイトが魚のときに有効らしいです。あまり気にして使ったことはないですが、厳寒期とかによく使うカラーです。
蛍光色も有効だと思いますし、お客様で蛍光色を使われて釣れているのを何度もみてます。
でも私が使わないので、データがありません・・・。なので、私としては蛍光色は無くても良いかなーって思ってます。
ここまで言っておいて言うのもなんですが、鯛ラバのカラーは「自分の信頼しているカラーが一番釣れる」です。
自分が信じて、巻き巻きできる、魚が追ってくるのが想像できそうなカラーを選ぶのが正解かもしれませんね。
着底後に鯛ラバをフワフワ・・・これは正直微妙です。
初心者でやりがちな着底後の「フワフワ」と踊らせる?釣り方をする人がいます。この釣り方で釣れなくはないですが、ルアーロスの可能性も高いですし、近くの魚にプレッシャーを与える釣り方なのでおススメしません。
状況によっては、フワフワの釣り方をお断りする場合もあります。
フワフワすると、絶えず底、または底から2mから3m近辺を漂います。鯛からすれば同じ目線でずっと「フワフワ」しているわけです。
食い気があればそのまま食ってくると思いますが、少しでも警戒、または食い気がなければ、危険を察知してその場を離れます。
一人のフワフワ釣りで全員が釣れなくなる可能性があるのです。
ルアー釣りはいかにしてルアーを違和感なく魚に見つけてもらい、警戒心が生まれないように食わすかが肝です。
フワフワさせるよりも、ルアーを魚の目線から一度外し(ある程度上まで巻いて)、再度上から落下させて近くに寄させて食わすって感じを意識したほうがいいと思います。
もしフワフワさせたいのなら、インチクがおすすめです。なぜかインチクはフワフワしても鯛が釣れます。(私はイマイチ釣れたことが無いですが・・・)
電動鯛ラバは、水深が重要。
一昔前に電動鯛ラバが流行り、うみてんでも電動鯛ラバのお客様が何名か来られました。釣れなくはありませんが、どうも水深で電動はデメリットになるような気がします。
一度、水深が30mから35mラインを手巻きと電動で釣りをしました。その時は圧倒的に手巻きの方が釣れました。
電動は等速巻きができるのが一番のメリットですが、着底後からの巻きが手巻きより一瞬遅くなるのがデメリットです。
水深が浅いと光もあり魚からは視認性も良いため、鯛ラバがしっかりと見えてます。
逆に水深が深いと光が入らないので、70mや80mなどの深い場所では鯛ラバがぼやけるまたはあまり見えない状態です。
冒頭でも「着底後の巻きが大事」と言いましたが、視認性が高い状態だと着底後でも魚からは鯛ラバがしっかりと認識できているので特に浅い場所は着底後が大事と思っています。
しかし水深が深い場所は視認性が悪いため、着底後の巻きはじめは少々遅れても良いと思っています。(といってもずっと放置はダメ)
もし電動をされる場合は、水深が深い場所のポイントでチャレンジしてみてください。
有明海なら、冬場は80mラインを狙うことも少なくありません。
冬場の水深が深い場所での電動は、手巻きよりもメリットが高いと思います。
ネクタイは種類よりも長さが大事かも。
ジギングをする人ならわかると思いますが、ジグの長さって気にしますよね?例えば、ブリ狙いでタチウオがベイトの時はほとんどの人がロングジグを使います。
また、イカパターンの時はショートジグのグローや少しファット気味のショートジグを使うかと思います。
魚の捕食しているベイトの種類や形状などにジグを合わせるのがジギングの基本です。
シーバス釣りも同じで、バチパターンの時はリップレスのルアーを使います。メバル釣りもシラスがベイトの時は2インチの透明とか、ゴカイがベイトの時は4インチくらいのホワイトとか・・・。
どんな釣りでも、捕食しているベイトを意識して釣りをします。
鯛ラバも同じと考えてます。
カニなどの甲殻類の時はヘッドからネクタイまでの長さが短い方が良い傾向にあります。
逆にタコやイカなどの場合は、長いほうがいいです。
よく、アコウなどの根魚を釣るとイカやタコを吐き出すことがあります。その時は、長めのネクタイを使います。
でも、カニなどを吐き出すときはネクタイを短くします。
ベイトがイワシとかサッパなら・・・ショートのジグが有効ですが、どうしても鯛ラバで釣るなら、短いネクタイの緑です。これ一択でいいかもしれません。
自然相手なので「絶対」はありませんが、意識して釣るのとしないのとでは釣果に差が出ると思います。
鯛ラバで釣れた魚たち。
私が今まで釣って覚えている魚です。他の魚種も釣っているかもしれませんが覚えていません。これらの魚種以外の魚も十分釣れる可能性があります。
- ガラカブ、アヤメカサゴ、ボッコ(カサゴ系全般)
- アコウ
- アカハタ
- オオモンハタ
- ヒラメ
- ホウボウ
- マゴチ
- ブリ(ヤズもハマチも含む)
- カンパチ
- サメ
- サバ
- アジ
- イワシ
- キス
- フエフキダイ
- メバル
- コショウダイ
- コロダイ
- チヌ(クロダイ)
- スズキ
- サワラ(サゴシ)
- タチウオ
- タコ
おススメタックルと鯛ラバ
初めての方向けにタックルと鯛ラバを掲載します。他のサイトでもおススメ紹介しているサイトは多々ありますが、沢山の種類で迷う方も多いと思います。私は「これだけあれば十分」ってものだけ載せます。いろいろ悩むのも楽しいものですが、ここに載せるのはすべて実績があり、ある程度安価で購入できるものだけです。
タックル(竿)
竿は6ft~7ft前後を選べばどこの海域でも通用します。硬さはミディアムライト(ML)が良く、鯛ラバの重さが100gくらいまで使えるものが良いです。今回は3本紹介しますが、探せば鯛ラバロッドは沢山あります。もし迷われたら、下記の3点から選んでみてはいかがでしょうか。
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買って損はないのがシマノです。グリップの形状が疲れにくく、ファイトしてもしっかりと握っていられます。また、値段も型落ちの炎月SSなら2万前半で購入できます。ちなみに私は15炎月SSを愛用してます。これで、70オーバーは10本くらい取ってますが、ヘタリもなく今でも現役で使えてます。
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炎月SSの廉価版の炎月BBですが、初めての方には丁度よいスペックになっています。値段がなぜ違うのかというと強化しているかどうかってところです。BBよりSSの方が粘りがあり、魚が掛かったときにこの粘りが魚を浮かすときに重要になります。でも、BBでも十分魚は釣りあげることはできます。ある程度魚を釣ってくると、魚がかかったときの物足りなさとかを感じるようになります。その時にもうワンランク上の竿を買えばいいです。
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一時期、メジャークラフトの竿を使っていました。昔はメジャークラフトの竿はすぐに折れるって話題になりましたが、私は3本所有していて一度も折れたことはありません。魚が掛かって折れることは断言していいます「折れません!!」。この竿は値段も手ごろで炎月BBと同じくらいの金額です。ですが、この竿はチューブラーという仕様です。上記の2つの竿はソリッドですが、チューブラーは着底が取りやすいというメリットがあります。また、すこしハリもあるので、オフショア初めての方はチューブラーロッドをお奨めします。ちなみに、遊漁船のレンタルタックルは昔のクロスステージをお貸ししております。
タックル(リール)
すみません、、、私はシマノしか信用していないのでリールはシマノのみです。リールは鯛ラバではすごく重要です。なので、ある程度の金額は必要になります。1万後半から2.5万くらのリールを3つ紹介します。パワーギアよりハイギアが良いという人もいますが、パワーギアでも十分です。パワーギアの方が巻き上げが若干ですが楽になります。
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マイクロモジュールギアはシマノの最高傑作と言っても過言では無いです。この巻き心地を実感してしまうと他のリールは使えなくなります。スムーズな巻き心地のため、疲れ知らずです。ドラグも良くできています。予算内ならこのリール一択です。ただし、このリールを使ってしまうと、安価なリールは使えなくなります。安価なリールを使うとシャリ音やゴリ感が今まで以上に敏感になってしまいます。その点はご注意を。
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カウンター付きのリールですが、私はほとんどカウンターは使いません。でもこのリールがあれば、アカイカ釣りができます。カウンターを使って釣る釣りはイカ釣りくらいしか思い浮かびませんでした。このリールと同じ機構でバルケッタというリールがあります。バルケッタは私も所有しており、たまに鯛ラバもします。(アカイカ釣りで日没前と夜明け前に同じタックルで鯛ラバできるため)巻き心地も良く、3年以上使っていますが、水洗いだけで今でもスムーズに巻けます。
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シマノの炎月リールの廉価版です。タックルもリールも炎月BBで揃える人もいます。その組み合わせがはっきり言ってコストパフォーマンスは最強かもしれません。私もこのリールは持っています。真鯛の80も釣ったことがあります。3年くらい使って(年間30回くらい使用)くると流石にガタがきました。もうピニオンギア、メインギアを交換しても調子が悪いです。シャフトギアを交換すればマシになるかなと思っていますが、固着して取れないので今のまま使っています。でも、普通に使えますよ。
鯛ラバ
鯛ラバはセブンスライド一択です。私は自作した鯛ラバとこのセブンスライドだけ使います。
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鯛ラバは奥が深い。デカいの釣るだけが鯛ラバでは無いです。
80オーバーを釣ってしまうと鯛ラバを卒業する人が多いです。私も80を数本釣ってから一時止めてました。でも、今一度鯛ラバを見直してみると、こんなに簡単に釣れて、でも難しい釣りは他には無いなーと思います。ジギングよりも鯛ラバの方が難しいです。長年鯛ラバをやっていて、今でも続けている人は記録更新を狙っているのではありません。まぁ、確かに記録更新できる鯛も釣りたいのですが、色や巻き速度や鯛ラバのサイズ、落下速度とかいろいろ考えて釣るのが楽しいから鯛ラバを今でもやっているんだと思います。鯛ラバは長く付き合える釣り種と言えます。
一時鯛ラバから離れていた人も、このページを見て、今一度巻き巻きしてみませんか?また、新しい鯛ラバに出会えると思いますよ!デカい1匹より価値ある1匹に出会えるように・・・。